このページでは実際に利用した南アルプスの鳳凰三山「南御室小屋テント場」の様子を紹介します。
南御室小屋テント場データ
[2023年]予約不要/ひとり1000円+1張500円(トイレ代込)
2023年のゴールデンウィークは南アルプスの鳳凰三山をテント泊で歩いて来ました。
幕営地として利用するのは標高2420mの樹林帯に位置する南御室小屋です。5時41分夜叉神峠登山口を出発して、南御室小屋に到着したのは10時19分。コースタイムは約4時間30分かかりました。「もしまだ元気が残っていればテント設営の後に鳳凰三山も行っちゃおうー!」と思ってましたが、ほぼ力は使い果たし余力は残っていませんでした。
まずは小屋でテント料金の支払いです。小屋では人当たりのいい管理人さんが迎えてくれました。支払いを済ませると「証」となる日付の書かれたタグを渡されるのでテントの見える部分に括りつけます。
南御室小屋テント場
10時20分頃のテント場です。ゴールデンウィーク後半2日目そして予約不要ということで、テント場は今朝到着した人、これから下山する人で賑わっていました。すぐにテントを張りたかったんですが、撤収中の人が多く、良さそうな場所が空くのをちょっと待つことにしました。
テントを撤収している人に昨日(5月3日)の様子を聞くと50張以上あったとのことです。前回の記事でも書きましたが登山道でスライドした男の子達はテントが張れず冬季用の避難小屋を利用することになったらしい。我家の利用した5月4日も40数張で感覚的に9割ほどの埋まり具合でした。ゴールデンウィークの南御室小屋テント場なかなかの競争率です。(テント場争奪戦に負けた数年前の谷川岳主脈縦走を思い出してしまう)
管理人さんに「凄い混んでるね」と言うと「たまには稼がせてもらわなくっちゃ」ということでした。もしかすると平日はガラガラなのかもしれません。「北アルプスみたいにひとり2000円くらいにしてみたら?」と聞くと「値段を上げると闇テンされちゃうんだよね」とのこと。なんと勝手に焚火までするヤカラもいたらしいです。
ちなみに次の日に雨予報の出ていた5月5日13時頃の様子です。翌日は土曜日にもかかわらずこんなにガラガラ。雨予報だとこんなにお客さん減っちゃうんだ・・・。山小屋経営って思っている以上に大変そうだ。管理人さんに「雨の日もいいよ、もう一日泊まっていけば?」と言われましたがやめときました(^^;)
南御室小屋テント場見取り図(ゴールデンウィークバージョン)
南御室小屋テント場見取り図ゴールデンウィークバージョンです。「ぬかるみ」は残雪が消えれば無くなるかな?
メインスペースは通路を挟んで左右にテントが並んで設営されています。
こちらが融雪水の影響大の「ぬかるみ」が発生個所。メインスペースとぬかるみ発生個所の間には融雪水をストップさせるためか細い溝が切ってありました。
メインのテントスペース(小屋を背に右側)から一段上がった場所には1~2人用のテントを張れる小スペースが点在していました。ここに張るとお隣さんとはやや距離が空けられます。特に一番小屋寄りとその横のスペースは木で周囲から遮られるので個室感がありました。
個室エリアの近くには木のパネルで造られたちょっとしたテラスのような場所があったので、管理人さんに「あそこの上も張れる?」と聞くと「あれは去年造ったんだけど土台の部分が痛んでいつ倒れてもおかしくない状態だから止めておいた方がいい」ということでした。
こちらはメインスペースの一番奥に位置する木立の中です。木立の中でいい感じなのですが、ここの奥にも残雪があって融水の影響で「ぬかるみ」個所がありました。
一番奥の木立エリアから見た南御室小屋テント場です。テント場は全体的によく整地され平らでペグも刺さりやすかったです。
南御室小屋
あらためて南御室小屋です。
訪問時はとても人当たりのいい管理人さんが迎えてくれました。
管理人さんに南御室小屋の歴史を伺うと、奈良に所縁のある奈良田の人たちが地蔵岳の大岩がオベリスクと呼ばれるようになるはるか古より「大日如来」として崇め参拝し、その参拝路の途中に室を造ったのが現在の「南御室小屋」だそうです。
ちなみにオベリスクという呼び名は海外の登山家だったかクライマーだったかが勝手にそう呼び出して一気に広まったとのこと。
食堂のメニューです。
そのメニューに出すパンか何かを焼くのかな?素朴な釜がありました。
テント場で使える椅子の貸し出しもありました。
素朴な小屋内です。
受付まわりです。こちらでテントの受付をしました。
飲料やカップ麺が売られていました。我家は日本酒ワンカップ購入。
バッチです。鳳凰三山に来たのでホウオウシャジンを買いました。
水場とトイレと冬の避難小屋
水場は小屋の正面玄関を右側に回り込むとあります。
この水がとても良いんですよ。木管からキンキンに冷たい水が流れ出ています。すぐ後ろの砂地が湧出地で、見ると清らかな水が滾々と湧き出す様子が見られました。
湧き出たばかりの天然水を好きなだけ汲むことができる贅沢な南御室小屋です。
水場の横にあるのが冬の避難小屋です。
トイレは冬用と夏用があり、訪問時(2023年ゴールデンウィーク)は冬用が使われていました。冬用は木造の簡素な小屋で男性用小便器と男女兼用個室が2つありました。個室はボットンの洋式で中身がよく見えるタイプでこういうのに慣れていない人はちょっと怯むかもしれません。トイレットペーパーはありましたが念のため持参した方が安心と思います。使用後の紙は個室内の箱の中に捨てます。便器の中に捨てるのは×です。
夏用のトイレは工事現場などでお馴染みの仮設が数基並んでいました。
充電時間と携帯電話電波状況
充電は小屋が発電し始める16時30分頃から可能で1時間100円、20時頃までに取りに来てとのことでした。
気になる携帯電話の電波状況ですが私はdocomoですが、テント場で電波が立ったので「おっ?」と使ってみようと試みたものの全然繋がらず。小屋の近くや発電中に試せば使えたかな?
auの人は南御室小屋から夜叉神方面へちょっと歩いた場所にこんな案内板があります。下山時にここでdocomoを試そうと思っていたらすっかり忘れて素通りしてしまいました。
このau電波ポイント、登山道の樹木が開けていて眺めがなかなか良いんです。
人当たりのいい管理人さんと砂地から湧き出る南アルプス天然水を引いた水場が魅力だと思いました。
日が暮れて来ました。明日は夜明け前から山行開始なのでもう寝ます。
この日のテント場はイビキの大合唱でした。
今回の寝具装備
モンベル/ステラリッジ2
モンベル/フォームパッド
サーマレスト リッジレスト クラシック レギュラー
モンベル/アルパインダウンハガー800♯1
モンベル/寝袋カバー
シートゥーサミット/トラベルシーツ(シルク)
♯1は暑くなく寒くなく快適でした。マットはサーマレストの上にフォームパッドを敷きました。