飯豊山テント泊・3|下山は松平峠経由・登山道から熊を見た

2016年8月14日(日)

夜明けです。4時に目覚ましをセットしたら、その1分前に目を覚ます奇跡!実は寒くて目が覚めました・・。

 

朝4:30の気温は10.5℃。山の朝にしちゃあ暖かい方だと思います。それにしても日中あんなに猛暑だったのに、朝はキッチリと気温が下がる山の不思議。

 

今回は水分と食料を多めに持って行くため、その他の荷を減らそうと普段使っているダウンの寝袋はやめてエスケープヴィヴィとサーモライトリアクターを持って行ったのですが、やっぱり全然ダメだった。あくまでも緊急用なんで寒くて目が覚めました。格好は半袖Tシャツとパンツ一丁だったのでコレも原因なような気も。

 

他のみんなも起き出して景色を眺めています。

 

一面の雲海が広がりました。

 

雲の海原に浮かび上がる山々。

 

朝陽に照らされるテント場。肝心の飯豊本山側の朝焼けは・・・ガスに覆われ残念!でした。

 

朝陽を浴びながら朝食。相変わらずフリーズドライごはんですが、山の上で食べる食事はいつだって美味しい!

汁物は前回からチキンラーメンにしました。それまでは棒ラーメンだったんですが、作り方が下手なのか山で煮ると少しゲル状になっちゃうんですよね。チキンラーメンは失敗知らずで「すぐ美味しい凄く美味しい」です。

 

朝食の後は散歩がてら飯豊本山の山頂へ行きましょう~。特に大きなアップダウンもなく、ぷらぷら歩いて15~20分くらいで到着です。トレッキングポールを持っていったけど、いらなかったなぁ。

 

さぁ待ちに待った山頂からの眺望は!

 

・・・・・・。わーーいっっ!ガスで真っ白けっけ!そのうちガスが晴れるんじゃないかと、誰もいない山頂で待つものの一向にガスは抜けず。

 

諦めてトボトボと戻りました。小屋のご主人によると「こういう時はブロッケンがよく出る、今朝も何度も出た」との事。

 

戻って来ました。気が付けばテント場は皆さんほぼ撤収済み。さぁー名残惜しいけれど私達も帰りましょう。

 

8:15一晩お世話になりました。居心地の良い、とても快適なテント場でした。(天気さえよければ、あともう一泊したかったなぁー)

 

帰りは予報通り、やや厚めの雲が垂れ込めてきました。

 

雨は午後からって事なんで、下山までもってくれるといいなぁー。

 

8:50御秘所通過。御秘所の切れ落ちっぷりを撮ってみた。

 

「姥権現様、一晩お世話になりました」

 

これまでの山行といえば、帰りは下りだけで楽チンというのがよくあるパターンですがアップダウンの続く飯豊では帰りもキッチリキツイです。そして、今日もやっぱり蒸し暑い!時折のぞく青空と、山の植物に励まされて進みます。

 

9:35切合小屋手前の雪田まで戻って来ました。ここだけは季節は初夏で、柔らかな新芽の植物が生えています。「向こうに沢筋もあって、こういう所は熊が大好きなんだよ」と子供の頃に山に入ると教わった事を話していると・・・・・・・?何やら斜め奥でガサッと動いたような・・!?

 

おやぁ、熊くんですよ。久々に野生の熊くんを見ました。

 

たぶん私達が来る前からそこに居て、コチラをずーっと見ていたと思うんですが、「ほら熊だ」と言うと「あっ、見つかっちゃった」とバツの悪そうな顔をして、ほんの少しだけ離れて行きました。肉付きのしっかりした大きめの熊でしたよ。

 

あまりしつこく見ると熊も嫌だろうと思い再び歩き始めると、切合小屋の方から男性が汗だくになりながらダッシュしてきて「熊っっ!小屋の方から見えて急いで来た!」と興奮気味にカメラで連写していました。飯豊といえば、やっぱり熊。飯豊にとって熊は共存する隣人なんですね。彼が小玉川のマタギ衆につかまりませんよーに。(でも熊汁はおいしかった)

 

9:46切合小屋に来ました。ここで食事休憩をしようかと思ってましたが、ちょうど小屋掃除の真っ最中だったので早々に立ち去りました。

 

テント場も覗いてみました。おぉっミドリ一色だぁ~。

 

その後もガスは湧きまくり。そして相変わらず蒸し暑いです。

 

ほんのり秋の気配。

 

12:38疣岩分岐。帰路は、ここから松平峠を行きます。いや~・・・ここからがキツかった。

 

登り返しはあまりなく下りの続く登山道なのですが、その「下り」が厄介でした。ほんのり秋の気配の登山道は、会津で御馴染みの急で細い尾根道なんですが、「さぁ、滑りなされ、転びなされ」と言わんばかりに細かな砂が表面を覆い、足を乗せるたびにズルッズルッと滑ります。

 

谷へと滑り落ちないように、ペンギンのようにチョコチョコ進むもんだから、時間がかかるのなんのって。しかも例によって蒸し暑いっっっ。

樹林帯に入ってからが、また地獄の蒸し風呂。樹木の根が複雑にはりだし歩きにくく、単調な景色の続く樹林帯が「まだかー?まだ続くのかー?」と唸るほどに長いです。

 

木に何かメモが付いているなぁ・・と見てみると・・ハチ!?草薮からスズメバチでも飛び出して来るんじゃないかとビクビクしながら歩いたけれど、どこにも蜂はいなかった。

 

祓川山荘

14:40祓川山荘です。

 

鬱蒼とした木立の中の無人の避難小屋(?)で、かなり老朽化が進んでいます。

 

内部は妙に生活感があり、子供の頃に山の中で見たどこかの作業場のような雰囲気でした。ここから駐車場までは、あともうチョットです。

 

水は豊富で外の管や小屋内の台所はでは常に水がジャパジャバ出ています。

 

沢を渡った後に最後の登り返しがあるんですが、距離こそ短いもののここまでの山行でヘロヘロになった身にはココが一番キツかった~~。

 

14:56登山口到着!

 

西会津町の看板がねぎらってくれました。

 

昨日の出発時はまだ暗くてどんなところかよく見えなかった駐車場です。お盆期間中にもかかわらず明日が雨予報だからかガラガラ。本当ならここで登山靴を脱いだり簡単な着替えをしたかったんですが、アッという間に大量の虻にブンブン囲まれ逃げるように出発。

 

下山後の感想

憧れ続けようやく少しだけ足を踏み入れる事のできた飯豊山、どこまでも続く豊かな尾根道とそこに暮らす動物たち。

 

行き交う東北弁にそう感じたのか、遠い昔に帰ったようなどこか懐かしさもある郷愁の山でした。

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