黒部五郎岳から折立ゴール|北アルプス・テント背負って6日間・13

この記事では、2018年7月の北アルプス周回テント泊6日間(薬師峠→雲ノ平→高天原→三俣蓮華→黒部五郎→薬師峠)6日目、黒部五郎岳から折立ゴールへ。

 

2018年7月25日(晴れ)

いよいよ最終日です。・・・というか、この時点ではまだ最終日ではありませんでした。というのも、黒部五郎小舎から太郎平までのんびり歩いて、薬師峠でもう一泊してから下山する予定でした。

朝4時半ごろ目を覚ますと、既にいくつかのテントは撤収され出発した後でした。トイレのため小屋に行くと、食堂は熱気ムンムン朝食タイムの真っ最中。熱気で窓が真っ白に曇ってます。後で宿泊していたお客さんに聞くと黒部五郎小舎の朝食は4時半だとかで。

我家もテント場に戻りアルファ米の朝食。

 

テントを撤収。一晩お世話になりました。

 

黒部五郎小舎から黒部五郎岳山頂へ

 

出発前に黒部五郎小舎に立ち寄って、登山道の最新状況、最終水場などを教えてもらいました。

 

6:14出発です。小屋から黒部五郎岳山頂へ向かうには、カールコースと稜線コースとにわかれていて、稜線コースは熟達者向きってことで当然のようにカールコースを進みます。

 

花があちこちに咲いて楽しめました。

 

特にコバイケイソウの咲きっぷりが凄い!今回の縦走ではどこを歩いてもコバイケイソウの花畑でした。

 

山頂へ向かう急登の少し前にあるこの太い沢が、太郎平方面へ向かうコースの最終水場だと黒部五郎小舎のお兄さんに教えていただきました。

 

せっかくなので沢を少し遡って、残雪からの水源で水を汲みました。キンキンに冷たく雑味もなくて、とてもおいしい水でした。

 

きょうもいい天気です。結局一滴の雨にも降られなかった今回の縦走。

 

この美しい景色も見納めですね。

 

ここから黒部五郎岳の肩の部分に向けて急登を登るのですが・・・

 

登り始めてすぐに蝶がとまり、そして山頂直下(肩の分岐)に到着した途端どこかへ飛んでいってしまいました。うーん・・ハイカーに上まで運んでもらうとはちゃっかりした蝶だ。

 

肩の分岐に到着すると、いくつものザックがデポされていました。私達も重いザックをデポし、山頂へ。

 

黒部五郎岳山頂!

それにしても黒部五郎岳って笑っちゃうくらい石が多いんですよ。

 

どこからこれだけの石を集めた?ってぐらい石だらけ。といっても歩行に悪影響を及ぼすようなものではなく、登山道上は歩きやすく整備されていました。さすが百名山。

 

8:30黒部五郎岳山頂に着きました。

 

不動明王が山頂を見守っています。

 

遠くにポツンと黒部五郎小舎が見えます。

 

先にいた男性に「ここの山頂標識は持って移動できるから、好きなとこで写真が撮れるよ」って教えていただき、調子に乗ってありとあらゆる場所で撮りまくり。

 

まったりと休憩していたら、使い込んだピッケル一丁で「熟達者コース」から男性が上がってきました。この後、この男性と少しお話ししましたが、なかなかユニークな御方でした。北アルプスの深部には、おもしろくって、おおらかな人が多いです。

 

8:50先はまだまだ長いので先に進みます。

太郎平方面へ下る黒部五郎岳の登山道はザラザラとした砂礫の九十九折れ状で、サクサクと軽快に下ることができました。

ただこれが逆コースだと、太郎平方面から繰り返されるアップダウンの連続のラスボスとして、そびえたつ五郎の大きな姿を登り上げなくてはならないので、かなり心が折れそう・・。谷川岳主脈の万太郎のような存在でしょーか。

 

やがて景色は変わり、一面の広大なハイマツの海です。これだけハイマツがあれば雷鳥くんに出会えそうですが、今回の縦走ではあまりに天気が良すぎてまだ一度も会えていません。正確には一度だけハイマツに逃げ込むお尻の部分をチラリと見ましたヨ。

 

ハイマツの合間に可憐な花々も目を楽しませてくれます。このコース、他のハイカーさんにもほとんど会わず、美しく雄大な景色の中をゆったりと歩けて、本当にいいですよ。おススメ。

 

11:20赤木岳を通過。

 

指導標に「この付近雷鳥多い」と記されて、ちょうどガスも出ていたんで期待してしばらく待つも出現せ~ず。

 

まったりなだらかな北ノ俣岳

 

北ノ俣岳までは、ま~ったりとしたなだらかな登山道が続きました。

 

12:06北ノ俣岳到着。太郎平まであともうちょっと。

 

三角点です。

 

今回の縦走コース最高の北ノ俣岳~太郎平のお花畑

北ノ俣岳から太郎平方面へ下ると一面、広大なお花畑が延々と続いていました!

 

チングルマにハクサンイチゲ。

 

この縦走中、たくさんのお花畑に出会いましたが、これほどの凄まじい花達ははじめてでした。

 

ここで久々にハイカーさんと出会いました。きょうは太郎平に泊まるというこの男性、散歩がてらここまで来たそうです。

 

お互い開口一番に交わした言葉は「ここ、花が凄いですね」でした。

 

やっと出会えた雷鳥の親子

 

更に進むと・・・ん?何かが足元をササッと横切りました。

 

・・・・!?

 

雷鳥さんの親子です!これほどの晴天で、もうすっかり諦めていた雷鳥さんと最後の最後に出会う事ができました。

 

雷鳥さんは、私達をまったく警戒することもなく近くまで来て草や植物をパクパク。

 

それにしても、こんな丸見え状態の晴天の草地の上を歩き回って大丈夫なんだろーか?あまりに無防備な姿に、ちょっと心配になってしまいます。

 

この若鳥が無事に育つといいなぁ。

 

太郎平小屋に到着・太郎ラーメンいただきます

13:30太郎平小屋に到着しました!

当初の予定では、今日はここの薬師峠テント場で最後の一泊をする予定でしたが「どうやらこの調子なら夕方までに折立まで行けそうだゾ」ということで、一気に下山してしまうことにしました。まぁ早いハナシがそろそろお風呂に入りたくなっちゃったのです。

太郎平小屋は平日にもかかわらず結構な賑わいで、軽装のハイカーさんもいて、これまでの登山道とは世界がガラリと異なりました。一番違った事は、みんな汗臭くないこと!擦れ違う度に洗剤や柔軟剤の香りがするんです。「あぁ街に近づいたんだなぁ」と、この時実感しました。

 

下山前に、せっかくなので名物の太郎ラーメンをいただきました。本当はネパールカレーを食べてみたかったんですが、残念ながらお休みとの事。ちなみに太郎平小屋のランチタイムは14時で終了だったんでギリギリセーフでした。

 

太郎ラーメンは行者ニンニクたっぷりで、おいしかった~。

 

14:00いよいよ下山します。この6日間はアッという間でした。山から離れるのは寂しいような、お風呂に入って街の食べ物が食べられて、布団で寝られるのが嬉しいような・・。あとは黙々と下るだけ。

 

16:16折立登山口に帰ってきました!

出発時に「見守ってください」とお願いした愛知大学の学生さんの碑に再び手を合わせて、無事に山行が完了した事をお礼しました。

 

下山後は真っ先に温泉へ直行!久々に浸かる温泉は最高に心地よかった!

 

5泊6日の北アルプス縦走編はこれにて終了。

最初は「6日間もあるし、雨の日もあるだろう」と思っていたのですが、雨どころか一度も夕立にすらあうこともなく、毎日毎日朝起きてから夜寝るまで、夢のような絶景の中を歩く事ができました。花々は美しく、出会う人々は優しく逞しく。山っていいなぁって心から思いました。

 

ここまで読んでくれた方、ほんとうにありがとうございました。

 

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