【斜里岳】沢づたいを歩く登山道が楽しい!

2018年8月21日(火)

さぁーー、本日は斜里岳を歩きますよ!まだ夜明け前に起きだし、チャッチャと準備・・と言いたいところですが例によってモタモタと支度をして出発です。車中泊した「道の駅摩周温泉」から登山口へ向けてGO~~。

 

朝焼けの空に斜里岳が浮かび上がって神々しいです。

 

しかしこの夜から朝へと移行する時間帯がまさに魔の刻で、道路脇から次から次へと鹿とキツネが飛び出してきます。本当に運転に気をつかう時間帯です。

 

斜里岳駐車場と登山口

 

斜里岳の登山口に着きました。登山口には清岳荘という山小屋があって、到着して初めて知ったのですが、ここでの車中泊を一台510円(トイレ代込み)で受付けているそうです。

 

山行前にトイレをお借りするために中に入ったのですが、外観は地味目なんですが館内は木材をふんだんに使用した温かみのある雰囲気で、トイレも洋式の水洗でとーーっても綺麗!屋外には水の出る蛇口もありましたが、こちらは要煮沸のようです。使い放題のトイレは綺麗だし、なにしろ登山口が目の前!うーーん、こっちに車中泊すればよかった~~。高台に位置しているので眺めよく、周囲は清々しい森に囲まれ、なんとも気持ちのいい山小屋です。ちなみに日帰りの駐車料金は100円でした。

駐車場で出発の準備をしているとキョーーーン!キョーーーン!という、舞台俳優かと思うほど通った鳴き声が響き渡るじゃありませんか。

おや?なんだろう?と鳴き声の方を見ると、立ち枯れした木にトンカチのような形の鳥がとまっています。あっ、クマゲラだ!はじめて見たけれど、すぐにわかりました。てっきり白神山地にだけしかいない鳥かと思っていたんですが、北海道にもクマゲラがいるんですね。写真を撮ろうとするとサッと飛び去ってしまって残念。でも初めて見たクマゲラにちょっと興奮でした。

 

斜里岳推奨コース

斜里岳は「旧道」と「新道」のコースがあり、登りで旧道、下りで新道を歩く事が推奨されています。私達もこの道順で歩きます。

 

実際に歩いてみて、旧道はひたすら沢沿いを上ってゆくので、これを下りに利用するのは危険だと納得しました。けれど後に出てきますが、新道の激下りもなかなかえげつないものがありましたが。

 

5:22登山口出発です。少しばかり森の中を歩くとすぐに林道のような砂利道に出ました。ここをしばらく歩いたのちに本当の(?)登山口のような場所に到着。ここからがいよいよ登山道といった感じでした。

 

渡渉・渡渉・渡渉!の斜里岳登山道

少し歩くと登山道は沢の横を沿うようになり、すぐに一回目の渡渉となりました。

 

これ以降、何度も何度も渡渉を繰り返します。最初のうちは何回渡渉するんだろう?と数えていたんですが、あまりに繰り返されるんで途中から数えるのをやめてしまいました。

 

6:07二股です。ここが旧道と新道の分岐になります。帰りは新道からここに合流するんですね。

 

爽やかな滝もありました。

 

これ以降、岩肌を滝のように流れる沢に沿って歩く箇所が続くのですが、これがヌルツルしてちょっと歩きにくいのです。グリップの効いたトレッキングシューズ必須って感じです。

 

確かにこのコースを下りに使うのは怖いな~。

 

けれど、この次々と登場する変化に富んだ沢や滝がとても綺麗なんです。

 

そして、なんとも楽しい!

 

子供の頃によく山の中の沢を遡って遊んだりしたんですが、その時のワクワクが蘇ってきました。

 

しかも、これだけの清流でありながら、ブヨ、ヌカカの類の嫌な刺す虫が全然いないんですよ。正確にはチラホラといましたが、特に登山口周辺と山頂付近に(二か所刺されました)。とはいえ、谷川岳や東北のように常に数十匹を従えてねり歩くなんて事がないんです。北アルプスのババ平みたいに、ボーッと座っていたら50箇所刺された~っっなんて事もありません。まぁ、この日が涼しかったんで単にラッキーデーだったのかもしれませんが。虫刺され研究家(自称)としては、最低最悪は谷川岳のブヨで、数も毒気も半端ないです。

 

渡渉は楽しいし、虫は少ないし、ここは天国だ~~。ここに住んでもいいぞぉ~~(嘘)

 

そんなどーでもいい虫無駄話をしているうちに、

 

沢もいよいよ細くなってきました。

 

前方には神秘的に朝陽がさしこみ綺麗です。

 

その光に導かれるように歩くと・・・

 

上二股分岐に要注意

7:26上二股分岐です。

沢の中をそのまま直進すると山頂方面、右手に折れると帰りに使う新道方面になります。

この分岐が曲者で、どうみても直進する沢の中は登山道には見えないので、ついつい右側の新道方面へと歩き進めてしまうんです。ちゃんと頂上と新道がそれぞれ矢印で示されているんだけれど、人間の本能で歩きやすい道を求めてしまうのか、ついつい足は新道方面へ向かってしまうという。

ここで本当に新道方面へ進んでしまうと、山頂を踏まずに振り出しに戻ってしまう最悪の事態になってしまうので要注意ですよ。この分岐には携帯トイレを使用するためのテントも設置されていました。

ここから沢は細くなり、やがて涸沢に。石のゴロゴロとした登山道を上ると

7:55乗越のような場所に出ました。

 

ここからはハイマツとガレ場の登山道らしい道を進みます。見頃は過ぎてましたがところどころ花も咲いていました。

 

斜里岳山頂到着!

8:10斜里岳山頂です!

斜里岳山頂は広々としていてノンビリ寛ぐことができました。ただ、なにやら蜂みたいな細くて足の長い黒い虫がたくさん飛んでいて、てっきり刺さない虫かと思っていたら、刺す虫だったんですね。油断したら一か所だけチクリと耳の後ろを刺されてしまいました。まぁ、ブヨやヌカカのように盛大に腫れたり痒みに悶絶したりとかはありませんが。

山頂には同じく埼玉県から車中泊で2週間の山旅をしているお兄さんがいました。このお兄さんは前回の羅臼岳でお見かけしていました。今回の悪天候続きにはかなり泣かされた事と思います。

 

斜里岳からの眺めは、北海道らしい大平野と、

 

周囲の山々です。

 

三角点は山頂から少し下がった広場にありました。

 

8:43山頂をたっぷりと満喫したので帰ります。この登山道は結構ザレていて、上りではなんてことないですが、下りでは滑ったり落石させないように結構気をつかいました。

 

これは涸沢まで戻って来た時に撮った一枚です。ここから沢の最初の水が染み出ていました。「これが源流かもしれない」の自己満足の一枚です。

 

帰路は新道コースへ・北アルプスの縦走路を思わせる光景に感動

9:21上二股分岐を新道へ進みます。しばらく歩くと・・・

 

おおっ~~っっ!これは凄い!ハイマツの海を縫うように登山道が続いています。

 

この光景はまるで北アルプスの黒部五郎岳から太郎平へ至る縦走路のようじゃないですか。これには感動っっ。

その後は樹林帯に突入し、ただひたすらの急な下りが続きました。この下りがなかなかのエグさで、すっかり足腰がヘロヘロになってしまいました。

 

10:36二股まで戻ってきました。「激下りから解放された~」と、ホッとひと安心。ここからは朝歩いた渡渉ゾーンに合流します。

 

最後の樹林帯で出会ったリスくん。山行中はエゾリス、エゾシマリスともに時々出くわすんですが、動きが早くて全然画像に収められないんですよ。ようやく一枚だけ撮ることができました。後ろ姿になっちゃいましたが・・。頬袋がぱんぱんに膨らんでます。

 

11:20ゴールです。

沢と滝に沿って歩き何度も渡渉を繰り返すこのコース、ちょっとしたアスレチックみたいで、とーーーーっても楽しかった!でも他のハイカーさんに「何度も渡渉して、このコースおもしろいですね」って言ったら反応が薄かったので、好みがわかれるのかもしれない・・。いや、でも本当におもしろい、飽きないコースでしたよ!

 

斜里岳下山後は道の駅パパスランドさっつるがおすすめ


斜里岳の後は「道の駅 パパスランドさっつる」で温泉と食事と洗濯です。そうなんです、ここに来ればすべて一通り出来ちゃうんです。温泉は空いていて掛け流しだし、屋外には足湯もあるし、食事はおいしいし、ここ良いですよ。

 

館内にはジャガイモで作った焼酎の試飲コーナーもありました。まだ車移動するんで飲めませんでしたが。

ただ、コインランドリーだけは併設というより、すぐ隣に設置された民間のものだと思うんですが、知床同様に乾燥に時間とお金がかかるタイプでした。おそらく電気タイプだからパワーが無いんですよね。コインランドリーはガスタイプがいいです。

 

食事はコレを注文しました。虹色うどん(780円)。斜里岳下山後は虹色うどんがおすすめですよ。

 

なぜなら斜里岳の登山をイメージした料理だからです。左下から時計回りに食べるんですが、それが登山口から頂上、そして下山という流れになっています。小鉢の中は全て山芋をアレンジしたトッピングの下にうどんが入っていて、左半分と右半分は違うつゆでいただく手の込みようです。そしてどれもとても美味しい!更に斜里岳の水のペットボトルまでついてきます。

 

もうひとつ注文したスープカレーも美味しかったです。ソフトクリームは入浴すると割引券がもらえたので食べてみました。ハーフサイズもあったんですが、サイズ感がよくわからず普通盛りにしたら、これがかなり大きかった・・。ハーフでよかったかな。バターでお馴染み「よつ葉」のソフトクリームで美味しいです。

さて、この日はこのままパパスランドさっつるで車中すればよいものを、またも知床に移動し車中泊。辿り着く頃にはもう真っ暗な夜で、山行の疲れもあって泥のように寝入ってしまいました。

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