インドの温泉|ヌブラ渓谷パナミック村 OASIS Cafe&GuestHouse(宿泊)

ラダック地方・ヌブラ渓谷のパナミック、ここはインドではそう多くない温泉が湧いています。ディスキットからローカルバスに揺られて約2時間半、温泉のあるパナミック村に到着。乗車時、ドライバーに「温泉に泊まりたいから近くで降ろしてくれ」と伝えていたので降車はスムーズだった。まずは今晩の宿探し、バスを降りて目の前にあった看板に「Hotspring Bath」の文字が目に入り迷うことなく行ってみる。部屋を見せてもらい、続いて温泉の確認もしたかったので案内してもらう。料金交渉して条件を確認し移動で疲労も重なり一件目の宿に投宿する。

ここではゲストハウスについては省略、実際の温泉についてのみコメントします。温泉は宿泊棟の隣にある浴室棟の中にありました。向かって建物正面の左右に入口扉があり、どちらにも内湯浴室があります。ゲストハウスの方が言うには「どちらでも好きな方を好きな時に貸し切りでどうぞ」との事です。それぞれの浴室は扉を閉めて内鍵ができるのでプライベートバスになって良かったです。

造りはどうかと言うと日本の公衆浴場のような脱衣所で、ロッカーにも鍵が掛けられます。浴槽とシャワーが別箇所にあって、まずはシャワーで身体と頭を洗ってから入浴という流れ。しかしここはインドです。三か所あるシャワーのうちまともに稼働するのは一つもありません。お湯の蛇口を捻ると激熱温泉が出てきますが、水の蛇口を捻っても水は一向に出てきません。この温泉だけでは熱くて体を洗うのは無理な為、仕方ないので浴室に行って浴槽湯をバケツで汲んでシャワールームへ運び、その湯で体を洗いました。ここまで読んで「浴槽縁で体を洗えばいいのに」と思うかもしれませんが、ここはインドです。浴槽まわりには一切排水口がなく、体を洗うとその泡やらお湯やらが浴槽内に流れ込んだり階段を伝って脱衣所に流れ出す構造になっていました。

なんとか身体洗いと洗髪を済ませ浴槽へ。浴室には小窓が一つあり外部から丸見えになりますがカーテンで目隠しができます。室内は12畳ほどの広さで6-7人サイズほどのタイル浴槽が一つあります。湯口の蛇口があってMaxで約12L/minほどの温泉が投入可能です。本来なら掛け流しで楽しみたいところですが、この浴槽が先ほど書いた通りの造りになっているのでオーバーフローさせるわけにはいかず7-8割ほどの水位で楽しみました。

温泉は無色透明、弱温泉臭がします。湯口には白い析出物付着が少々ありました。湯口は熱い源泉ですが浴槽の湯温は42℃ちょいの湯加減で、なんとも適温での入浴は気持ちが良いです。湯溜め後の一番湯で鮮度もまずまずの状態で久々の温泉入浴を存分に楽しませていただきました。滞在中は夕方と朝風呂をいただきましたが、朝は冷めてしまっていて(約33-34℃)、源泉蛇口全開で湯口周辺の湯温を上げてからの湯浴みとなりました。

清掃は意外にも毎日湯抜きをし、ゴシゴシと浴槽内のこすり洗いまでも実施していました。清掃が終わると湯溜めを開始し夕方少し前には温泉に浸かることができました。源泉は宿から約50mほどパナミックの中心方面に進んだ崖の斜面がそれです。散歩がてら見学に行ってみました。
(三昧・2019年7月)


荒涼とした大地と岩山の続くヌブラ渓谷の道路沿いにある、温泉浴場を持つゲストハウスです。ローカルバスが停車した目の前がこの施設で、部屋を見せてもらうと悪くはないし、なにより立派な温泉浴室があり24時間内側から鍵をかけて貸切利用してよい、とのことだったので、高めの室料だっもののここに決めました。

敷地内は広く、管理室棟、客室棟、温泉棟、屋外の食堂が間隔を持って点在しています。全体的にサラサラの砂が敷かれ、ちょっとしたリゾート感を狙っているのかもしれません。敷地内から周囲を見渡すと、温泉井のある荒涼とした山々や雪を被ったヒマラヤの高山が神々しく輝いているのが見えます。

案内された宿泊棟は全部で4部屋ありますが、一室はスタッフルーム、二部屋はトイレ・シャワー共同のツインルーム、ひとつだけツインベットを横並びにしたダブル仕様の部屋がトイレ・シャワー付きでした。私たちはこの部屋に決めましたがおそらくシャワー・トイレ共同の部屋であればもう少し安いと思います。

部屋は二面に窓があり昼間は明るい雰囲気で、部屋の設備・備品は他のインドのゲストハウスと同様で、ベッドとサイドボードがひとつというシンプルなもの。ベットはやや硬めですが、インドのゲストハウスはこれが主流なんですね。シーツや枕カバー、枕本体、掛布団は清潔でフカフカ、変な臭いも無くぐっすり安眠できました。入室の際、前客のゴミが放置されていたり、水回りの清掃不足もありますが、この程度はインドのゲストハウスの平均値だと思います。

部屋付きのシャワー兼トイレと書きましたが、正確にはシャワーはなくバケツに湯を溜めて体に掛けるインド式です。ただ、このシャワー兼トイレに決定的な問題がありました。窓が広く日中は明るくていいのですが、夜になると外から全て丸見えなんです。昼間はそれほどでもないんですが、電気をつけた夜間が問題です。外に行って実際に確認してみたところ、暗闇の中に浮かび上がるスクリーンのように上から下まで丸見えでした。外といっても、牛やロバしかいない荒野が広がり人が通ることは滅多にないことだと思いますが。気になる人は宿のオーナーに頼んで窓に目隠しをつけてもらうといいと思います。

もうひとつ、温泉好きにとっては逆に嬉しいことかもしれませんが、室内の水回りは全て温泉利用です。ただ蛇口から出て来る湯が源泉そのままで、とても熱いんです。手を洗うとジンジンするくらいの熱さです。

今回の室料に食事はつきませんが、村には気軽に外食できる場所ではないので朝晩の二食付きにしてもらいました。初日の夜は豆カレーと、カリフラワー&ジャガイモのカレー料理で、二日目がチベット風きしめんのテンツクでした。どちらもラダックの大定番料理です。朝食は村のパン屋さんで仕入れたパンとチーズ、チャイという簡素なものです。夕食はひとり120ルピー、朝は100ルピーでした。ちなみに「オアシスカフェ」という看板を掲げていますがカフェ感は一切なく、それ自体営業しているのか謎な部分もあります。

肝心の温泉棟は、宿泊棟のすぐ隣にあります。左右に同じような浴室があり出入り口は別々です。こういう構造だと普通は男女別浴室になりますが、ここは違いました。向かって左側が適温の温泉浴室、右側は水風呂(冷ました温泉のぬる湯)浴室でした。おそらく熱いお湯が苦手なインド人対策だと思われます。実際地元の家族連れが数組入浴に来てましたが、みんな水風呂浴室の方を利用していました。

私達が利用したのは当然のように左側の熱い浴室です。入浴前にまずは階段を上がったシャワールームで体を洗います。このシャワールームや浴室の構造が日本の感覚とちょっと違う部分がありますが、詳しくは三昧レポをどうぞ。

お風呂は6~7人サイズの四角いタイル造りで、日本でもよくある共同浴場風です。白い析出物の薄っすら付着した蛇口から無色透明の熱い源泉が流し込まれ、浴槽内で適温となっていました。これは宿の管理人さんが私達が入りたいと言った時間に合わせてお湯を入れてくれたのですが、これ以上投入量を増やすと熱くなってしまうし、減らせばぬるくなってしまう。浴槽湯を適温にするためのベストな投入量でドンピシャに合わせてくれてました。

浴槽湯は湯溜め直後ではやや熱めの適温で、スッキリと綺麗に澄んだ鮮度良好の大変気持ちの良い湯です。特別際立つ個性はないものの、ほんのり温泉臭が香り口に含むとほのかな甘みを感じる湯で、日々の生活湯にはもってこいだと思いました。

村の共同浴場の方は湯元に近いため浴槽湯が激熱でしたが、こちらは引き湯の段階である程度冷まされるので(そもそも源泉井も別ですが)、浴槽では快適な適温を楽しめました。ぬる湯浴室もあるためか村人も家族揃ってお風呂に来て、子供達が敷地内で遊んだりしていました。村人が集まって談笑したり、むしろこちらの方が共同浴場や公民館のようになってました。

清掃・湯溜め時間を除けば24時間好きな時に貸切で入れるし、入りたい時間をリクエストすれば、それまでに日本人の好きな湯温で新鮮な掛け流し湯を用意してくれます。湯元はすぐ目の前の崖にあり、共同浴場へ行くにも源泉見学に行くにもとても便利な場所にあります。

またおススメの観光スポット「スモールレイク」にも車で連れていてくれたり、私達がディスキットに戻る日は途中まで知り合いのご家族の車に乗せてくれたり、一見ちょっと愛想が無さそうに見える管理人さんですが、実際にはいろいろ面倒を見てくれました。

温泉浴舎を持たない他のゲストハウスに泊まったインド人に値段を聞くと(食事なしで)500ルピーだったと言っていたので、温泉は源泉地を一回だけ見学すればいい程度であれば、そちらの方がいいと思います。逆に「温泉入浴」をメインに考えているのであれば、候補に入れてもいいお宿じゃないかなぁ?と思いました。ただヌブラ渓谷の他の村で数日間ご一緒したケララのインド人夫婦にこの値段を言ったら「高すぎる!オーナーに文句言ってやる!」と怒って乗り込む勢いだったので、もしかするとやっぱりチョット高く乗せられたのかなぁ?

ちなみにローカルバスで「温泉」と言うと、この施設の前で降ろされますが、インド人夫婦は「きっとバスのドライバーと裏取引があるに違いない」と勘ぐってましたが、この先へ進むとおそらく温泉宿は無くなってしまうし、「温泉に行きたい」と言って温泉地帯であるこの辺りで降ろされるのは普通のことだと思うけどなぁ。
(まぐぞー・2019年7月)

▼バスはゲストハウスの目の前で降ろしてくれました

▼パナミック村の入り口・源泉地の向かいに位置しています

▼左が宿泊棟・右が温泉棟

▼宿泊棟

▼宿泊棟内

▼宿泊した部屋

▼部屋の水回り(蛇口など全て温泉利用)

▼窓からの眺め

▼屋外の寛ぎスペース(食事もここで)

▼寛ぎスペース

▼夜はライトアップされます

▼夕食

▼朝食

▼裏の扉から牛やロバがぞろぞろ入ってきます

▼ゾも来ました

▼村人の交流の場にもなっています(クリケットしてます)

▼温泉棟

▼脱衣所

▼シャワールーム

▼熱湯源泉が容赦なく出てきます

▼適温浴室

▼湯口

▼屋外には露天風呂らしき浴槽もありました

▼パナミック村は雄大な自然の中にありました

▼情勢が許せばまた訪問したいところです

2019年7月時点で村への通電は夜19時頃から23時まで。通信環境もエアテルとボーダフォンは使えず。情勢や気候に大きく左右され、物流も乏しく厳しい環境下で人々は暮らしていました。ただ顔があえば誰もが「ジュレ―!(こんにちは)」と声をかけてくれ、村人はみんな優しく穏やかなパナミック村です。

インド・パナミック村(Panamik Hot Spring) オアシス カフェ&ゲストハウス(OASIS Cafe&GuestHouse)

インドのラダック地方(ヌブラ渓谷沿い)
公共バスでレー→ディスキット(乗り換え)→パナミック
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宿泊しました:一泊一部屋900インドルピー
Wi-Fiなし
要ヌブラ渓谷地域のパーミット
訪問:2019年7月

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