甲武信ヶ岳と三宝山【千曲川源流コース】

10月下旬の土日を利用して甲武信ヶ岳・三宝山、甲武信小屋でテント泊をしてきました。

甲武信ヶ岳は何度も候補にあがりつつ、その度に降雪やら野暮用やらで延期になっていた「近くて遠い山」でした。その甲武信ヶ岳についに本当に行くことができました。そしてせっかく甲武信ヶ岳へ行くなら甲武信小屋でテント泊!と決めていました。

 

甲武信ヶ岳へのルートは幾つかあり、そのどれもがキツイと言われますが、準冬装備にシフトしたバックパックの重さと現時点での自分の体力から、今回は毛木平から千曲川・信濃川の源流沿いの道を往復することにしました。

 

「甲武信ヶ岳」実際に歩いたルート


このコースは甲武信ヶ岳を登る中では楽な方とよく言われていますが、それはあくまでも「甲武信ヶ岳での他のコースと比べて」なので、実際にテント装備で歩いてみるとやっぱりキツかったです。

 

千曲川源流コース

2022年10月22日(土)

八ヶ岳を望む長野県南佐久郡川上村の広ー-い畑エリアを過ぎ少しばかり走りやすいダートを進むと、甲武信ヶ岳の登山口「毛木平駐車場」です。紅葉シーズンで天気予報もまずまずの土曜日「もしや満車?」と心配しつつ朝6時頃到着すると、トイレ(※冬期閉鎖)もある広い駐車場はまだ約7~8割くらいの埋まり具合でした。甲武信ヶ岳は登山口が数か所あるからハイカーさんも分散するのかな。

毛木平駐車場をGoogleマップで見る

 

6:43出発です。今回からテント装備が準冬仕様になったのでバックパックが重い・・・。

 

毛木平駐車場から千曲川・信濃川水源地を通り甲武信ヶ岳へ進むこの「千曲川源流コース」は、その多くは渓流に沿って緩やかに登っていく感じです。

 

水源地までは目立った急登もないのであまりキツい感覚はないんですが、何気に距離があっていつの間にか体力を奪われている印象でした。

 

この登山道の魅力はなんといっても奥深い森。こんなに深く自然豊かな森が埼玉県と長野県の県境に広がっていたとはちょっと驚きでした。

 

青く澄んだ渓流や生き生きとした苔が本当に綺麗なんです。

 

何度も見惚れて足を止めて見入ってしまいました。

 

どんどん細くなる千曲川(信濃川)の源流。

 

途中には幾つもの細い沢が流れ込んでいました。

 

この細い流れがやがてあの大きな信濃川になると思うと何か胸に来るものがあります。(やっぱりBGMはスメタナのモルダウかな)

 

千曲川・信濃川水源地

9:58「千曲川・信濃川水源地」です。ちょっとした広場のようになっていて、数人のハイカーさんが休憩されていました。

毛木平から来ると左側に沢へ降りる踏み跡があり、行ってみると二か所の湧水ポイントを確認できました。

 

千曲川・信濃川源流のはじまりを動画でどうぞ(1分3秒)。※最初はチョロチョロしか水音がしないんですが、沢が大きくなるにつれて音も大きくなります。

このあと湧水をボトルに汲んでみました。上の地面から湧いている湧水ポイントはちょっと汲みずらく、下の(木のところ)の方が水量が豊富で汲みやすかったです。

 

甲武信ヶ岳への登山道はここから一気に登り上げました。距離は長くないものの、なかなかの急登。ここまでダラダラ体力を奪われた後でこの急登、ここはほんとに疲れたー。

 

急登を上りきると「2353m地点」と呼ばれる奥秩父主脈縦走路との合流地点に出ました。

 

ここから再び緩やかな道になりました。

 

途中、登山道横の雑木の中を進む踏み跡があったので行ってみると甲武信ヶ岳がよく見える場所がありました(滑落注意だよ!)。「おぉ、甲武信ヶ岳山頂がもうすぐそこだね」

 

再び登山道に復帰し山頂直下のガレ場をのぼると・・・

 

甲武信ヶ岳山頂

11:07甲武信ヶ岳山頂です!山頂では既に数人のハイカーさんが景色を眺めながら寛いでいました。山頂標識は階段がついたお立ち台になっていて「さぁ記念写真を撮りなはれ」と登山者を誘っていました。標識の後ろ側が眺望ポイントにもなっていてハイカーさんが入れ代わり立ち代わりやってくるので、他の人が写らないようにするのがちょっと大変。

 

山頂標識の後ろには座って周囲の山々を眺められるベンチもありました。山頂からは富士山や八ヶ岳、南アルプスも見えてなかなかの眺望。他にもたくさんの山々が見えていたけど、どれがどの山かは??(相変わらず山座同定苦手だー)

 

山頂は狭く混雑しているので先へ進みます。両側に石楠花の木がわっさわさ。これ開花シーズンは凄そう。

 

いつの間にか埼玉県に入ってました。どこが県境だったんだろ?山頂かな??

 

山頂から甲武信小屋方面へ少し下ると「もしかしたら山頂より眺めいいんじゃないの?」と思うような岩々した場所がありました。

富士山が裾まで綺麗に見えます。富士山を見るなら甲武信ヶ岳山頂よりこっちの方がいいかも。(※ストックが一本長いのは、前回の山行で元にもどらなくなってしまったのです/_;)

 

厳しい環境にさらされて凄いことになっている木がありました。まさか埼玉県にこんな自然環境の厳しい場所があったとは。

 

甲武信小屋に到着

11:29今日お世話になる甲武信小屋に到着しました。本日2番乗りです。甲武信小屋のテント場については次の記事で(^ ^)

 

埼玉県最高峰「三宝山」と眺望抜群「三宝岩」

テントを設営した後はまだ時間があるので、埼玉県の最高峰「三宝山」へ行ってみます。

 

小屋の前を横切った獣除けの扉の向こうが三宝山への「まき道」でした。

 

まき道と本線との合流地点には埼玉県が設置した真新しいピッカピカの指導標。

 

甲武信小屋から三宝山までは行きも帰りも約40分くらいでした。

 

三宝山です。樹木に囲まれて眺望はないですが思っていた以上に広さがありました。

 

記念に一枚。

 

山頂標柱には協力・秩父農工科学高等学校と記されてました。そうか、ここ秩父の山なんだ。

 

三角点。

 

ここにも真新しい埼玉県の指導標。

 

甲武信小屋に戻る途中、三宝山のすぐ近くにある三宝岩にも寄ってみました。三宝山から甲武信小屋方面に少し進むと右側(甲武信ヶ岳側)の樹林に細い獣道のような道筋ができていたのですぐわかりました。樹木が茂る小道を進むとパっと目の前が開け、展望のいい三宝岩に出ました。

 

すぐ目の前には甲武信ヶ岳、その後ろに富士山も見えます。甲武信ヶ岳の賑わいとはまるで違う静かすぎる空間でした。

 

この三宝岩、甲武信ヶ岳からよく見えるんですよ。不思議な岩だー。

 

甲武信小屋に戻ります。三宝山と三宝岩、埼玉県にもこんな山深い場所があったんですね。

 

甲武信小屋に戻るとテントが増えてました。次回は甲武信小屋のテント場の様子を紹介します。

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