このページでは2023年9月3連休の日曜日と月曜日、二日間かけて歩いた谷川馬蹄形(反時計まわり)の二日目、蓬ヒュッテから西黒尾根下山の様子を紹介します。
→初日(白毛門~蓬ヒュッテ)・当日持参した水の量などはコチラの記事をどうぞ
2023年9月18日
蓬ヒュッテでたっぷり睡眠をとって元気復活の朝です。朝と言ってもまだ3時30分で、空には満点の星空が広がっています。
朝4時、蓬ヒュッテの簡素な朝ごはん。あまりに早朝過ぎて食欲ほとんどないので、このくらいが丁度いい。
4:50準備を整えて出発です。
昨日はガスまみれの一日でしたが今日はスッキリと晴れ渡り「おっ、これは眺望も期待できそうだぞ」とウキウキ。出発時に管理人さんが言った「武能岳の山頂で朝日岳からのご来光が見えますね」の言葉にテンションも急上昇です。
白毛門、笠ヶ岳、朝日岳・・・昨日歩いて来た山々もクッキリ影絵のように浮かんでいます。あれを全部歩いて来たのかー。遠いような近いような。
まず目指すのは目の前にドドンとそびえる武能岳です。日帰り谷川馬蹄形だとこの辺りが疲れのピークになるのか、過去の山行記録(活動日記)をみると「武能岳と茂倉岳への登りが一番キツかった」と言う人が多いですが、蓬ヒュッテで一泊した後だと一番元気な歩き始めなので、まぁまぁ普通に歩くことができました。(毎度ペースが遅いのは別として)
後ろを振り向くと遠くにポツンと蓬ヒュッテが見えました。このまま快適に歩いて、武能岳で朝日岳に昇るご来光を見るぞぉー・・と思っていたら・・・
蓬ヒュッテから先の笹がワッサワサで朝露も凄くてたちまち足がビシャビシャ。
あまりにウエット過ぎてカタツムリくんが元気に活動中。
あんなにスッキリ晴れていたのにガスが湧いてきて、気がつけば周囲は真っ白け。(あ~朝日岳のご来光が遠のいてゆく)
武能岳への途中で本日の第1スライドハイカーさん登場。颯爽と軽快に下りて来るトレラン兄さんで、なんと昨日の夜に主脈縦走の平標側から走り西黒尾根だったか田尻尾根を下山、そしてそのまま西黒尾根を登り蓬峠の手前まで来ているというクレイジーっぷり。なんでもこういうレースがあって、そのためのトレーニングらしいです。
5:47武能岳山頂に着くころには周囲は何も見えない濃霧の中。なんなんですかね、昨日から。
ガスがかかって眺望イマイチの稜線をずんずん進みます。この時点で膝から下は渡渉でもしたようにビショビショで、靴の中には水がタプンタプンの酷い状態でした。水の溜まった長靴みたいに歩くたびにブーブーオナラのような音と共に、噴水のように靴から水が飛び出してきます。もう面倒くさいのでこの状態で歩いていたら、足裏がふやけて人生初の靴擦れになってしまいました。
途中で何か大きな動物が笹原をザザッと下って逃げていきました。カモシカさんかクマたんかな?
7:40茂倉岳山頂に着きました。ここから先は歩いたことのある道なので、ちょっとだけ気が楽です。少し早いけれど、ここで蓬ヒュッテのお弁当を食べてみようと思います。
宿泊料金にプラス500円で用意してもらえるお弁当です。レトルト赤飯+魚肉ソーセージ+チーかまという、なかなか前衛的なお弁当です。魚肉ソーセージ+チーかまは年齢層高めな馬蹄縦走者の心をガッチリ鷲掴みにするナイス☆チョイスですね。
惜しかったのは赤飯が超温め不足でコメがポリポリだったことです。家に持ち帰ってレンチンして美味しくいただきました。
8:12一ノ倉岳です。
ここに設置された避難小屋は谷川岳で遭難の悲劇を繰り返さないために出版された本の収益金で造られたそうです。
この先で本日の第2スライドハイカーさん登場。「本当は清水峠へ抜けようとしたけれどガスが出ちゃったから茂倉から土樽に降りようかな・・・」と迷われてました。(その気持ちわかる)
足がビシャビシャなのでコントみたいに滑りまくる蛇紋岩の鎖場です。ここから先、蛇紋岩がやたら増えました。
8:40ノゾキも真っ白。
おっ?主脈の方はガスが切れて来たぞ。これこれ、この眺めが谷川連峰ですよ。
9:16今年7月に山開きの神事を行った奥の院まで来ました。さくや姫様にご挨拶です。
9:23オキの耳。まだロープウェイ組が到着していないのかな?ハイカーさんがほとんどいません。そして・・・
9:42谷川馬蹄形の〆のピークはトマの耳でした。こちらも休日とは思えないほどガラガラ。夏休みが終わって紅葉がはじまるまでの谷間の時期なのかも。
肩の小屋の向こうに主脈縦走路が続く(ガスで隠れちゃってるけど)お馴染みの光景。数年前に主脈縦走をしたときは途中の水がとれなくて、暑いしホント苦労した。
肩の小屋に寄って何か飲料を買おうか迷ったけれど、(この時は)まだ水が十分残っていたのでスルーしました。(←後にあまりの暑さに飲み切ります)
夏場の休日はいつも大勢のハイカーさんで賑わう西黒尾根もきょうはナゼかほとんど人の姿がありません。
西黒尾根はこれまで何度か通ったこともあって、なんだかゴールしたかのような気持ちになってしまい、これまでの緊張の糸がプッっと切れて急激に疲労感が出て来ました。こういう時が一番、事故を起こしやすい。「慎重に慎重に」「ゆっくりゆっくり」を心がけて、なるべく遅いペースで下るようにしました。
それにしても(毎度のことですが)西黒尾根がめちゃめちゃ暑いんですよ。標高が下がるにつれて暑さもぐんぐん上昇。水の消費もどんどん増えて行きます。
足元には秋っぽい花が咲いていました。ちいさい菊みたいな花。
これはやけに尖ったリンドウっぽい花。秋は紫系の花が多いです。
樹林帯に突入すると途端に真夏に戻ったような蒸し暑さ。予想以上の暑さに水の消費も加速して、ついに鉄塔の辺りで飲み切ってしまいました。それでも登山口近くまで行けば水場があるし、もうちょいの辛抱だと思っていたら・・・
お目当ての水場が枯れておる!ここが枯れてるの初めて見た。ただここまで来れば登山口はもうすぐなので、あともうひと踏ん張り頑張るだけです。登山道では栃の実がポトンポトンと落ちる音が森の中に響いていました。
いよいよ西黒尾根登山口が見えて来た!という絶妙タイミングで観光客を満載した電気ガイドバスがやってきて「はい、ここが日本三大急登で全国的に有名な西黒尾根の登山口です」と解説が始まってしまった。「さぁ、ちょうど登山者が降りて来ましたよ」「真っ赤な顔をして相当疲れていると思います」(恥ずかしくて下山できないよー早く行ってくれーー)
12:54電気ガイドバスが遠ざかったタイミングで素早く下山!
谷川岳登山指導センターの水場も枯れてました。ここが枯れてるのも初めて見た。秋ってコワイね。
13:27白毛門登山口(駐車場)まで戻って来ましたーーー!谷川馬蹄形ゴールです!あーー疲れた。
下山後は白毛門登山口の川で汚れた靴洗い。朝の笹地獄でビシャビシャになったままなので、水の中に沈めてゴシゴシ洗いました。
そうこうしているうちに、昨夜蓬ヒュッテに泊まっていた男性が白毛門を下山してきました。白毛門下山(時計回り)の二日目は私達の反時計回りより1時間30分くらいコースタイムが長いのにほぼ同じ時間に下山してきた。早い!
・・・というわけで、谷川馬蹄形無事〆ました。画像は谷川岳インフォメーションセンターで購入した谷川馬蹄形バッチ(500円)です。
→谷川岳インフォメーションセンターをGoogleマップで見る
今回はガスで眺めがいまいちだったから、もう一度歩いてみるかな?次はもう少し涼しくて湿度の低い日を狙います。
ここまで読んでくださってありがとうございました。